眼瞼下垂とは?
眼瞼下垂とは文字の通り眼瞼(まぶた)が下垂(垂れ下がる)している状態を言います。
眼瞼下垂については、生まれたときから片方のまぶただけがしっかりと開かない、先天性眼瞼下垂がよく知られています。
ところが近年ではIT時代ということもあって長時間のパソコンなどによる目の酷使や女性のメイク、またはアトピーなどから後天性の眼瞼下垂が非常に増加しているのです。
眼瞼下垂の症状
眼瞼下垂の症状は顔を正面に向けた状態で、眼を普通に開眼したとき、まぶたが瞳孔(黒目の部分)にかぶさった状態で、しっかりと上まで持ち上げられていない状態を言います。
しかしこのような状況においても、人のカラダは代償作用が働きます。
それはつまり、ハンディに対して視野を確保しようとするために、眼瞼挙筋を過剰に働かせることで補ったり、眉を持ち上げたり、アゴを軽く引き上げることで上方の視野を確保してしまいます。
そしてこのような作用は日常的に行われてしまうため、本人はなかなか気付かないものです。
そうこうしているうちに病状が悪化し、本人が自覚症状に気付いた時は既に進行していることが多いわけです。
自覚症状としてはまぶたが重く感じることです。
眼瞼下垂の治療方法
まぶたの中では、瞼を持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)と瞼板とは、挙筋腱膜を介してくっついた状態で存在しています。
そのため、眼瞼挙筋が収縮すると、挙筋腱膜を通して瞼板を持ち上げ開眼します。
しかしこの瞼板と挙筋腱膜がなんらかの原因によって、外れてしまったり、緩んだりしてしまうと、今まで連動した動作に遊びが発生し、開き具合が悪くなります。
眼瞼下垂に対する挙筋前転法という治療方法は、挙筋腱膜と瞼板とを再固定するために、生理的な改善が認められる画期的な治療方法です。
挙筋前転法という治療は信州大学病院形成外科の松尾教授が広めた治療方法であり、松尾式とも呼ばれています。
この方法は多くの形成外科や美容外科で導入されているようです。
しかし残念ながら、すべてが実際に正しい方法で治療されているということではありません。
そのほとんどは、文献などを参考にして適当に治療されているケースが多く、治療後に多くのトラブル抱えるケースも少なくありません。
正しい治療を安全に受けるには正しい情報を得ることが非常に重要なのです。
伸びてしまった挙筋腱膜を元に戻すには、眼窩隔膜と呼ばれる眼窩脂肪を包んでいる膜を切開し軽く引き出して、瞼板に固定します。
眼窩隔膜と挙筋腱膜はくっついているため、眼窩隔膜を引き出し固定することで、挙筋腱膜が短縮され、開瞼状態が改善するのです。
眼瞼下垂の挙筋前転法による手術時間は2〜3時間程度で気になる費用は健康保険適用では6〜7万円程度であり、自費診療の場合はクリニックによって大きく違います。