後天性眼瞼下垂とは

眼瞼下垂とはまぶたが垂れ下がるという意味であり、この眼瞼下垂には先天性と後天性の2種類があります。

先天性眼瞼下垂は生まれつき、まぶたがしっかり開かないものですが、後天性眼瞼下の場合は加齢によるもの、コンタクトレンズ着用によるもの、パソコン作業による目の酷使によるもの、メイクによるもの、アトピーによるものなどが原因となります。

眼瞼下垂の状態とは、顔を正面に向けて眼を普通に開けたときに、まぶたが瞳孔(黒目)にかぶさった状態です。

まぶたが目を覆った状態ですから当然、視界は狭くなります。

この原因はまぶたが上までしっかり持ち上がらないことです。

ところが、人体というものは代償作用が働きますから、遮られた視野を確保しようとして

眼瞼挙筋(がんけんきょきん)を過剰に働かせることでこれを補うため、眉を持ち上げ、アゴを軽く引き上げたりする動作をします。

この代償作用は本人の意思とは関係なく無意識に働くため、本人の自覚がない状況のもと、いつの間にか後天性眼瞼下垂が悪化しているケースが多いのです。

まぶたの構造について

さてそれでは、まぶたの構造は一体どうなっているのでしょうか?

まぶたは以下の5つの要素で構成されています。

1.眼輪筋(がんりんきん)

眼輪筋とは眼の周囲全体を覆う筋肉です。

これは運動筋(可動筋)とは違って、目の開閉動作において閉じる動作を受け持つ筋肉です。

2.瞼板(けんばん)

瞼板とはまぶたの開閉動作に大きく関係している軟骨のような組織です。

まぶたがしっかり開閉するかどうかはこの瞼板と眼瞼挙筋の連携がうまくいっているかどうかに影響されます。

3.眼瞼挙筋(がんけんきょきん)

眼瞼挙筋とは目の開閉がコントロールする筋肉です。

先天性眼瞼下垂の多くはこの眼瞼挙筋の不具合が原因となっています。

そして、眼瞼挙筋にはミュラー筋と呼ばれる小さな筋肉が付随しておりますが、交感神経が緊張することで縮み、まぶたを持ち上げる動作の補助をしています。

眼瞼下垂症(腱膜性)になると、必要以上にミュラー筋を収縮させるため、交感神経が常に興奮します。

交感神経が興奮すると結果として動悸を感じたり、体を支える起立筋が過緊張するため、首筋や肩や背中の筋肉が凝ったりするのです。

それによって不安や疲労感を感じやすくなったりするのです。

4)眼窩脂肪(がんかしぼう)

眼窩脂肪とは眼球を外部の衝撃から保護する機能がありますが、この眼窩脂肪が多いとまぶたが厚ぼったくなることもあります。

5)挙筋腱膜(きょきんけんまく)

挙筋腱膜とは瞼板と挙筋との結合に大きく関与している部分であり、これが緩んだりはがれてしまったりすると腱膜性眼瞼下垂となります。

後天性眼瞼下垂の自己チェック法と自己診断法

後天性眼瞼下垂は自分でチェックできます。

その方法は以下のとおりですので自己チェックしてみましょう。

後天性眼瞼下垂の自己チェック法

1.顔を正面に向けて目を軽く閉じる。

2.目を閉じたまま両側の眉の上を人指し指でギュッと押さえる。

3.眉の上を押さえたままの状態で目を開ける。

*以上において目を開ける際に、目が開きにくかったり、おでこに力がかかってしまう人は後天性眼瞼下垂の可能性大となります。

後天性眼瞼下垂は以下の内容に該当するかどうかで自己診断ができます。

後天性眼瞼下垂の自己診断法

*まぶたが重く感じる

*目をよくこする癖がある

*コンタクトレンズ(ハードタイプ)を使っている

*肩こりがある

*偏頭痛がある

*昔に比べ目が小さくなったような気がする

*おでこのシワが多い。増えた。深い

*まぶたが、くぼんでいる

*眼精疲労が強い

*過去に美容整形で埋没法などの治療を受けている

*夕方になると、目の奥や額部分に痛みや苦痛、違和感がある

*パソコンの使用時間が長い

*逆まつげが目立っている。

以上による自己診断はあくまでも簡易な自己診断法なので本格的な診断は専門医に相談されてください。

Copyright © 2008 後天性眼瞼下垂の自己チェック法と自己診断法 All rights reserved.
inserted by FC2 system